2011年11月2日水曜日

平和の有り難みと人々への畏敬と感謝

今日は麹町~国会議事堂ルートです。
麹町交差点付近に以前より気になっていたモニュメントがありました。新宿通りにはこのようなモニュメントが各所に展示されていますが、写真は「そよ風」と題したモニュメントです。小学生くらいの女児と男児でしょうか。二人仲良く手を繋いで遊んでいます。私もそれなりに年齢を重ねたせいか、目の前を通り過ぎる子供たちの健気な様子を見ると、実に可愛く幸せな気分になります。子は宝と言いますが、本当にそう思います。現在のこの平和な日本社会にはしみじみ有難さを感じています。(震災等の不幸もありますが総論として・・・。)

今私は「きけ わだつみのこえ」という戦没学生の手記を読んでいます。たまたま愛読している雑誌に紹介されていたので購入しました。初版は今から60年も前に発刊されたのですが、その後改定を加え新刊として日本戦没学生記念会から再発刊されています。
以前、沖縄にある知覧特攻記念館に行ったことがありますが、ここでは終戦を間近にしながら若い命が海上に散って行く無情さを嫌でも目の当たりにします。特に特攻隊員(まだ10代の若者が大勢)が出撃前夜に親宛てに出した手紙が数多く展示されていますが、どれも最後まで拝見することは私には出来ませんでした。まだこれから学問を学ばんとする若者(子供と言った方が近い)が国家を思い無情にも散って行くことに深い悲しみと畏敬の念を覚えます。「きけ わだつみのこえ」は、その彼等とは些か環境が異なり最高学府を卒業或いは中途で入隊し、幹部候補生として戦場に散って行った20代の方々の手記です。東京大学や京都大学を中心に医学部・法学部の学生達の手記がたくさん記されています。本来なら将来国家の要職に着き国政を動かしていく方々なのだろうと思うと実に残念でなりません。手記の内容も実に立派で、自身の置かれている現状を冷静に客観的に見つめ、この戦争に対するその後の見通しなども予測出来ていながら使命感との間で葛藤を続ける様が如実に表わされています。でもまだ20代の若者ゆえ、親兄弟や恋人への思いが切々と述べられているくだりもあり、誠に心痛ましい思いと、最後まで自身の尊厳を貫き通した彼等に対する畏敬、また感謝の念が沸々と込み上げてきます。

今、世界ではあちらこちらで戦争が続いています。この日本もいつまた戦争に関わることになるか、平和の保証は永遠ではありません。先の大戦で国家のために死力を尽くされた方々の思いに応えるためにも、我々自身、子孫のためにも二度と戦争には関わらないという強い信念を持ち続けなければならないのだと思いを新たにしています。また、日頃の生活においては、我々一人一人が何事に対しても「しらけず」、「老けず」、「他人事にせず」を心がけ、常に思いを熱く、積極的であることが必要なのだと思います。私も自身への戒めとしたいと思います。

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