2011年10月13日木曜日

或る建物の解りやすい耐震補強

とある場所に建築工事中のような大きな建物を発見。大掛かりな足場が組み立てられていると想ったら耐震補強の一種でした。遠くから眺めただけですので築年数は分かりませんが、恐らく耐震基準が見直される昭和56年(1981年)以前に建築されたものだと思います。よく耳にする「新耐震基準」とはこの時の改正を言います。それ以前にも以降にも耐震基準はその折々に見直されているのですが、大きな変更を伴った昭和56年の改正を「新耐震基準」と言って現在既存の建物を評価する上で判断基準の大きな要素になっています。一言でいえば、巨大地震が起きても倒壊しないための基準ということです。つまり柱や壁、床、天井などがたとえ壊れても、建物自体が倒れてはいけないという基準ですね。
写真の耐震手法は、既存の建物を新たに堅固な柱と梁で外周から頑丈に囲う手法のようです。揺れに対してガップリ四つに構える形ですね。他にも「免震構造」と言ってゴムのようなものを柱と基礎部分等に嚙まして揺れを吸収する手法や、「制震構造」と言って大きな振り子のようなものを振動とは反対方向に人工的に揺らして揺れを相殺させる手法などもあります。
日本はヨーロッパと違って地震と共存しなくてはならない土地柄です。ファッションの国ヨーロッパでは、建築物も実に多様でデザイン性溢れるものが数多く建てられており、その土地土地のユニークな街並みを構成しています。残念ながら日本ではデザイン性の前に構造耐力を満たさなくてはならないので、ヨーロッパのような奇抜なデザインの建物は建てることが難しいのです。・・・とういうことは、一層のこと「構造美」をより追求した設計を行ってみても良いですね。如何にもご覧の通りの構造で建っていますという主張も悪くないですね。そういう意味で写真の建物は立派に主張されていると思いますので、とてもGoodだと思いました。
構造美と言えば、そうですね。私も大好きな東京タワーが代表的建築物ですね。まだまだ日本の建築の模範となって頂きたいと願っております。

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