2013年5月3日金曜日

伊勢志摩ぶらり旅〜その3〜

いよいよ今日はぶらり旅の最終日。天照大御神を祀る内宮さんの参拝です。

朝、目が覚めると台所の方面からカタカタ・ドタバタと賑やかな生活音が聞こえてきます。既に母と姉の一日はスタートしているようです。
2階の寝室から木製の急階段を恐る恐る下り、2部屋の横断を経て台所に来ると姉は出勤準備もほぼ完了。化粧のノリもまずまずの様子。母は我々のために名物「てこね寿司」をせっせと作ってくれています。・・・ふと、30年も40年も昔の居心地を覚えます。私は寝ぼけ眼でマッサージチェアーに深々と身体を預け、その昔の「感触」をじーっと目を閉じて感じていました。程なく友人も2階から恐る恐る階段を下り、やってきました。

(解説※実家は昭和初期に建てられた完全木造和風住宅で、天井も低く階段は取り外し可能なハシゴにも似た急勾配の階段なのです。よく80歳にもなる老婆が毎日上り下り出来るものだと感心するほどタイトな構造なのです。部屋の独立性もなく、全てが引き戸で仕切られていますので、それらを取り外すと大きな一つの大部屋になります。勿論廊下なんてものは存在しません。昔は中庭や縁側もありましたが、今は遠い昔の思い出になっています。)

一足先に姉はご出勤。残る3人で手作りのてこね寿司を頂きます。友人も初めてのこの郷土料理を無心に口に運んでいます。づけ鰹と酢飯が塩梅良くこねられていて、質素ながら暖かく豊かさを感じる味わい深い逸品です。
朝食を終え、いざ出発。先祖の墓参りも済ませて外宮さんまで車での送迎です。未だ元気に運転する母の姿に安堵し、母とはここでお別れ。再開を約束し、我々は外宮→内宮循環バスでいよいよ内宮さんに向かいます。繁忙期になると外宮と内宮を最短距離で結ぶ御木本道路は、一般車両通行禁止となります。この循環バスが最も効率的な移動手段となるのです。
内宮に到着し、目の前の物産店に手荷物を預かって貰います。100円がかかるのですが、1000円以上の買い物をすると只にしてくれます。大鳥居をくぐるとそこからは神聖な空気が一帯を支配しています。一歩づつ砂利を踏みしめながら正宮に向かいます。友人の顔を覗くと、ようやくここに来られたかとの感慨深い想いを新たにしている様子。あぁ、良かった。私もまるで我が家に案内するかのように、御手洗場、清流五十鈴川の畔へと共に足を進めます。巨大な神宮杉が立ち並ぶ参道をしばらく進むと、ようやく正宮を拝む石段に到着です。幸い参拝客の待ち行列も殆どなく、時間を掛けて心静かに参拝を済ませることが出来ました。「幸せに過ごすことが出来ますように・・・。」

その後はおかげ横丁をのんびりと散策です。赤福本店では一人前3個280円の赤福をほうじ茶と共に頂き、江戸時代から変わらぬ風情をしばし堪能。色々な食べ物屋も次々とオープンしています。往時の繁栄を想わせるような賑わいがここにはありました。出来れば他にも色々と食べ歩きをしたいところですが、今回のグルメツアーの〆はうなぎづくしと決めていますので、ここは散策だけで退散です。先程預けた荷物を引き取り、路線バスで近鉄五十鈴川駅まで移動。お土産用に近くのイオンで伊勢うどんとあおさ(磯海苔)を購入。物産店で売られているお土産用の伊勢うどんも美味しいとは思いますが、地元の人間としてはやはり普段食する生のうどんにこだわってしまいます。お勧めは山口製麺所か「横綱」銘柄の生うどん。1玉80円程度です。やっぱりスーパーが一番ですね。(^^)v

少々予定の時刻をオーバーし、普通列車に乗車。うなぎづくしの「川うめ」を目指します。うなぎのフルコースを食べさせてくれる店は、今ではここ以外見当たりません。全国どこでもいいので、どなたかご存知の方がいらっしゃれば是非教えて頂きたいです。
予め電話しておいたので、スムーズに部屋に案内して頂きました。ここは全室個室なのです。余分な料理(失礼!)を除いたうなぎのフルコース「梅膳」を注文。3500円で最もコストパフォーマンスが高いお勧めメニューです。年配の仲居さん(もしかして女将さん?)がいぶし銀な語り口で料理の出し入れをしてくれます。お酒も進み追加で日本酒の熱燗を注文すると、「本当は書きたくないんやけどなぁ・・・。」と言いながら、伝票に熱燗2本と記入。こういうやりとりが何ともほのぼのと暖かい。ご存知だと思いますが、うなぎのかば焼きは焼き方が関東と関西で違います。関東は蒸して余分な脂分を落としてそれから焼き上げるのに対して、関西では蒸さずにそのまま焼き上げます。自然、出来あがりは関東風がふわふわで、関西風がしっかりとなります。かば焼き1枚が箸で持ち上げられるかどうかの違いです。友人も初めての食感で驚いた様子でしたが、また新しい発見だと喜んで箸を進めていました。

伊勢志摩ぶらり旅もいよいよ終盤。予定の近鉄特急に乗り込み、旅の疲れと充実感を体一杯に感じながら名古屋までの1時間半。ぐっすりと眠りこけました。
・・・しかし、まだグルメ旅は終了していません。最後は名古屋名物きしめんです。ぷらっとこだまの発車時刻は19:00。1時間以上の時間があります。重い胃袋を引っ提げ、駅構内の「駅釜きしめん」の暖簾をくぐります。かけきしめんの醤油と塩各600円、それに天むすを2個220円を付けます。
・・・「あー、食ったぁー。」・・・

これにて2泊3日の伊勢志摩ぶらり旅も全行程を終え、どこの旅行会社にもマネの出来ない手作りのツアーが閉幕です。家族との変わらぬ絆、そして友人との固い友情を再確認出来た旅となりました。私を育ててくれた故郷は、これからも益々元気でいてほしいと思います。長くなりましたがこれにて。

家族と友人の双方に感謝したいと思います。(*^ー^)ノ

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